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■ ノアその1 / 創世記6:1~8 (2008-06-29)

  • 創世記6:1~8
  • 2008年6月29日
  • 読了時間: 3分

創世記、何とも別世界の物語のようであるが、実に人間の本質をついている。 人間社会そのものは、時代、文化と共に確かに進化している。しかし、人間そのものは、本質的に大昔の人間と全く同じ、ということである。

例えば、こういうケースを考えてみた。現在社会で、生まれたばかりの赤ん坊をタイムスリップして、数千年まえの時代に置いたとする。すると、赤ん坊は数千年前の人間として、当時の非文明の世界で、悠々と生きるのである。 つまり、環境の変化や時代の変化に対し、人は順応して行くが、人間の本質であるところの知性、感情、意志、そして魂と霊は、昔も今も少しも変わっていない、ということである。

ノアの時代、人間社会は非常に堕落していた。聖書は先ず、性的モラルが確立していない時代がどのように乱れ、やがて創造主の怒りと嘆きに至ったかを語る。ふと考えると、ノアの時代と現代の日本と、どこが違うのだろうと比べたら、非常に似ている。まるで、双子のようである。 人間は自分が感じることを行った。感じたから殺し、盗み、感じたから・・・モラルも道徳も関係なし。したいから、する。 それは自由ではない。それは、罪の支配に身を任せているに過ぎない。 動物の営みは、はるかに高尚である。彼らの性は種の保存のためだけであって、楽しみのため、自分の欲を満たすためではない。食も今ある命のためだけであって、蓄えは必要としない。

私は以前、「聖書」は「性書」か?と感じたことがある。 人間にとって、性はまるで偶像のごとくである。性は人間世界の影の部分でありつつも、歴史の裏側で、絶えず激しく存在感を誇示する。 創世記から新約聖書に至るまで、聖書は恥らいもなく、ためらうことなく、神の光りの中で性を語る。その多くは、人間の弱さと自己中心的な思いの現れであり、失敗談でもある。 しかし、その一方で、創世記のヨセフのようには見事に性を掌握し、理性と信仰で勝利している。 性は、人に与えられた創造主からの賜物である。生めよ、増えよと、神はアダムとエバにおおせられ、大いに祝福された。そして、神は人に与えて性を、夫婦において愛の交歓の場として与え給うた。

ノアが、どういう人物であって、何を考えていたかを聖書は語らない。 暴力と殺人、盗みと性的モラルの乱れ、一夫多妻の時代に生きたノアが、どこに位置して何を価値としていたかを語らない。

だが、ただ一言、「しかし、ノアは主の心にかなっていた。」とある。 具体的な言葉は一切無いが、それで十分なのである。 クリスチャンになって数年したら、殆どの人はノアという人を理解できると思う。 真面目であるとか、いつも神さまを礼拝したとか、書いてない。 だが、あのような時代背景においても、「ノアは主の心にかなっていた」のである。 どれほど社会が乱れ、モラルのかけらも見えないような環境であっても、「しかし」という書き出しで名前を呼ばれるような人は、神の目には尊いのである。

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